【書評】スーツケース起業家

ビジネス本の書評、というほどのものではないですが、感想文も書いていきたいと思います。

一冊目として、ニュージーランドのノマド起業家である、ナタリー・シッソン(Natalie Sisson)の「スーツケース起業家」を取り上げます。原著・邦訳とも2016年に出版されており、現在から間が空いていますが、私は最近目を通しました。理由は、現在のコロナウィルス蔓延のさなか、世界的な移動を制限されているノマド起業家がどのように対処しているのか、興味を持ったからです。したがって、この本以外に彼女が現時点で発信している情報もあわせての書評となります。

【データ】

  • 書名:スーツケース起業家
  • 原題:The Suitcase Entrepreneur: Create freedom in business and adventure in life.
  • 著者:ナタリー・シッソン(Natalie Sisson)
  • 訳者:タカ田中
  • 出版社:三五館
  • 原著出版年:2016年
  • 邦訳出版年:2016年
  • 私が読んだ版:初版(2016年3月1日付)
https://amzn.to/32hyVQA

【この本でわかること】

  1. ナタリー・シッソンが活用するツール
  2. 個人で世界中にアウトソーシングする経験
  3. 新しい生き方を見つけた人が、自分の生き方をシェアしたいという気持ち
  4. 自由な生き方に伴う自己規律、そして孤独とのつきあい方

1.については邦訳の最終ページに編集部注がある通り、英語でしかないサービスがあったり、すでにサービス主体が変わっているものもあるようです。日本の読者は、日本の制度に対応しているサービスで代替することができるでしょう。私はP.200にあるUniversity Rooms(世界各地の宿泊可能な大学寮の予約サイト)を知らなかったので、実際にサイトにアクセスしてみました。オックスフォード大学など、歴史のある大学に泊まれることができるとは、知らなければ体験できないことです。

2.は時差を生かして効率化を図る、というものです。サービスのヘルプデスクが海外にある場合など、起業家でなくとも同じような仕事の仕方をしている人は多いのではないでしょうか。私自身はマイクロ法人での、海外アウトソーシングの経験はありません。ナタリー・シッソンと異なり、日本語の成果物が必要な場合、外注先は限られるかもしれません。

この種のビジネス本の場合、3.が一番読者をひきつけるものだと思います。熱意が文章に現れるからです。

4.は起業家でなくとも、テレワークをしているサラリーマンにも参考になるかと思います。

日本ではフィットしないかな、という部分はほとんど感じませんでした。それだけ同様の安価なサービスが日本でも普及している、ということでもありますし、税制などに触れている部分がわずか(第6章 ”全地球的ノマド”になるために)だからでしょう。

現在の彼女は、自分のサイトFacebookTwitterYouTubeなどで発信を続けているようです。YouTubeチャンネルをさっと見てみましたが・・・。残念なのはライフハックの動画集、という感じで、この本が持っている熱気があまり感じられなかったことです。私の英語力の問題かもしれませんが、SNSで本人が語るのを聞いていると、この本との距離があるように思えるのが気になりました。また、FacebookやTwitterも私が目を通した限り、コロナウィルスに触れている個所も見当たりませんでした。影響がないほど、マネタイズの仕組みを作りあげているのか、意図的に触れないようにしているのかもしれません。

原著はKindle Unlimitedでも読めますので、そちらに目を通してもよいかと思います。

https://amzn.to/38U7wWh

コメント

タイトルとURLをコピーしました